読了―倫理学・道徳

村松暎『中国列女伝』

===================================================

村松暎『中国列女伝 三千年の歴史のなかで』(中公新書166)、

中央公論社(現、中央公論新社)、1986年21版(1969年初版)

===================================================

21版も重ねているんですね、この本…。

確かに読みやすいし、面白いし。

劉向の『列女伝』はもちろん、『金瓶梅』『紅楼夢』、

その他多くの散文や韻文から

中国女性の像を浮かび上がらせようと試みる著書。

ここに引用される書物など氷山の一角に過ぎないことを

思い知らされる著述でもあります。

愚生も、追いつけないまでも手本にせねばと思わされた

貴重な新書です。

前半においてとりわけ立体的に

各章の女性像が浮かび上がっていたように思えるのは

愚生の読み違いなのかな…と、思ったりもします。

このあたりは、興味の持ち所次第なのかも知れませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徳田進『孝子説話集の研究』(近世篇)

==================================================

徳田進『孝子説話集の研究―二十四孝を中心に』(近世編)、

井上書房、1963年

==================================================

先日読んだ同博士の『孝子説話集の研究』三部作の第二部。

第一部では中世篇として室町時代(戦国等含む)を

扱っておられましたが、

近世篇では主に江戸時代を扱っておられます。

また、比較考察や海外からの影響の考察を行うために

同時代の周辺地域で発生した二十四孝系書物へも

視野を広げておられます。

つまり、中国の明清時代、及び韓国の朝鮮王朝時代。

やはり記念碑的大著ですね…。

近いうち、同著近代(明治)篇も読む予定です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徳田進『孝子説話集の研究』(中世篇)

===============================================

徳田進『孝子説話集の研究 二十四孝を中心に』(中世篇)、

井上書房、1963年

※クレス出版より『説話文学研究叢書』第四巻として復刊

===============================================

国文学研究の古典的名著。

また、国文学のみならず朝鮮文学・中国文学の専攻者にとっても

国文学との関係を鑑みる上でとても参考になる一冊。

続編に近世篇、近代篇(明治期)と続きますが、それは後日として、

中世篇では概ね室町時代までをカバーしております。

一度、論文を書くときにざっと読んだことはあるのですが、

このたび改めて読み直してみました。

正直言って、著者、徳田博士の該博にして深遠な知識を

感じずにはおれません。

ここまでの考察を著書として具現化するには、

博士個人の才能も勿論ですが、

長年にわたる地道な研鑽が不可欠。

気になったのが、植字の問題で、

ところどころ文字がひっくり返っているところ。

もちろん、内容とは関係ありませんけど、

今後も読み続けられるであろう著書であるだけに

細かい点も気になります。

クレス出版さんから出されている版は

まだ拝見しておりませんが、

このような著書を復刊して下さるのは非常にありがたいです。

敢えて難を言えば、

「セットでしか買えない」ような記述がサイトに見られること。

徳田博士の『孝子説話集の研究』三部作だけで

購入できないものでしょうか…。

---------------------------------

クレス出版:http://www.kress-jp.com/

---------------------------------

とりあえず、大学の研究室にでも入れて貰いましょうかね。

ともあれ、さすがという他無い高著です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

桂正和『ZETMAN』

====================================================

桂正和『ZETMAN』(YJ COMICS)、集英社、第8巻まで、連載中
====================================================

桂正和氏といえば、はるか四半世紀ほど前に、

(1)『ツバサ』でデビュー、『WINGMAN』、その後『ヴァンダー』を経て
(2)『電影少女』『I's』などを書かれているので、
※『SHADOW LADY』はどちらに含めるべきだろうか。
未読なので判断不可※

最近の方々は(2)の路線でご存知の方が多いように思います。
が、倭儒は(2)の路線が大嫌いですので、
同氏のこの路線は全く読まず。
大事なのは(1)路線だと思っています。

(1)路線のモチーフは「正義への問いかけ」。
端的には「正義とは何か」です。
『ヴァンダー』は『WINGMAN』と同じ語りなので、
同氏の問いかけとしては、『WINGMAN』『ZETMAN』の二つが
メインストリームだと解釈しています。

『ZETMAN』の初出は平成元年=1984年、読み切りにて。
『ZETMAN 桂正和短編集』の冒頭に載せられています。
※『SHADOW LADY』もこちらが初出のようです※

その後、2002年に連載開始。
んー、18年の時を隔てていますねぇ。
実はこの短編を目にしたときから
同作品の連載を心待ちにしておりました。
待ちまくりです。
※その間、(2)系列&『SHADOW LADY』が出ていましたが、
ずーっとイライラしていたわけです※

短編から連載に移ったため、
世界設定等は大幅なリメイクないしボリュームアップが
為されてはいるものの、
モチーフ「正義への問いかけ」は
些かも揺らいでおりません。
むしろ、短編当初に比して
「回答例」をいくつも出せる状況にあるので、
読者にとっては比較もできて更に分かりやすくなり
読み応えも増しています。

唯一の欠点は…YJCだからなのか、一冊あたりがやや高額…。
なぜに\680(税込)なのか…装丁凝り過ぎです。
普通のJCなら\400程度なのに(ToT)

でも、現代にこそ在って良いこの問いかけ、
それへの回答を試みる同氏の挑戦を見守りつつ
引き続き楽しみます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)