読了―儒教(中国)

加地伸行『沈黙の宗教―儒教』

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加地伸行『沈黙の宗教―儒教』(ちくまライブラリー99)、

筑摩書房、1992年

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新年初読了です。

一昨日くらいには読み終えてましたが、

原稿を書いていたもので

こちらに手が回りませんでしたf(^_^;)

さて、著者は言わずと知れた碩学泰斗、加地先生です。

直接お会いしたことはありませんが、

儒教学・中国学および関連学問を専攻する方なら

大抵の人間は御芳名を耳にしたことのある、

そんな方ではないかと思います。

今回の本は、以前読んでいるのですが、

久々に読み直してみました。

実際に面白いですし、

勉強になることは多いのですけど、

それ以上に、原稿に書き疲れたときに

息抜きで読んでいた中で励まされました文言が。

以下に引用致します。

「伝記や資料を平板に並べるだけでは〈事実〉は明らかにならない。

そこに解釈が加わってこそ、はじめて〈事実〉が現れるのである。

/その解釈もその場限りの思い付きではなくて、全体を一貫する、

その人独自の見かたがなくてはなるまい。

もっとも、主として個別研究を行なう若いときは、

一本一本の木は見えても森全体は見えないから、

(後略)」(p295。「/」は改行を表す。赤文字は引用者)

研究にたずさわる場合、

きっとこうしたことは序盤で理解するもの思います。

ただ、論文をこれまで何本か書いていく中で、

いつも「自分の視野の狭さ」といいますか、

「知的土台となる教養の薄さ」といいますか、

はたまた「悪い意味での分析癖」といいますか、

こういうのを打開すべく論文を書こうとして

書いては消し、書いては消し、…、を繰り返していると

2008年が終わっていました。

もしかすると断章取義的にピックアップして

勝手に喜んでいるだけなのかも知れませんが、

今回の原稿でこれを読んで励まされたのは

紛れもない事実です。

今年は、このフレーズで頑張れそうな気分です。

ある種、お年玉かも。

Book 沈黙の宗教―儒教 (ちくまライブラリー)

著者:加地 伸行
販売元:筑摩書房
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村松暎『中国列女伝』

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村松暎『中国列女伝 三千年の歴史のなかで』(中公新書166)、

中央公論社(現、中央公論新社)、1986年21版(1969年初版)

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21版も重ねているんですね、この本…。

確かに読みやすいし、面白いし。

劉向の『列女伝』はもちろん、『金瓶梅』『紅楼夢』、

その他多くの散文や韻文から

中国女性の像を浮かび上がらせようと試みる著書。

ここに引用される書物など氷山の一角に過ぎないことを

思い知らされる著述でもあります。

愚生も、追いつけないまでも手本にせねばと思わされた

貴重な新書です。

前半においてとりわけ立体的に

各章の女性像が浮かび上がっていたように思えるのは

愚生の読み違いなのかな…と、思ったりもします。

このあたりは、興味の持ち所次第なのかも知れませんね。

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目加田誠『詩経』

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目加田誠『詩経』(講談社学術文庫953)、

講談社、2004年第11刷(1991年1刷)

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斯界の碩学、目加田先生の一著。

著者によって任意に選ばれた

『詩経』原典からの詩について意訳が載せられた他、

『詩経』の成立や伝来、テクニカルな部分、

そして総括的な叙述と続けられます。

経典の全訳注とは、如上のように少々違います。

全訳注が必要な場合は、

明治書院さんの新釈漢文大系シリーズに収められた

『詩経』を参照するのが妥当かと。

とはいえ、詩経研究の泰斗によって書かれた同著は

文庫ですので手軽で読みやすく、

愚生のように韻文が苦手な方にも適しているのではないかと。

それでも、やはり韻文が苦手の愚生にとっては

読破に難航しましたが…。精進します。

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加地伸行全訳注『孝経』

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加地伸行全訳注『孝経』(講談社学術文庫1824)、

講談社、2007年

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十三経の一つ、『孝経』の全訳注のみならず、

同氏の『孝経』・孝に関する論考までも収めた文庫。

加地伸行博士は儒教研究ではすこぶる高名な方で、

『儒教とは何か』(中公新書)等でも有名です。

文学や思想で孝に焦点を当てる際にも、

また、親子(血族)関係の徳である孝の性質上、

身近な問題であるだけに儒教学の入門としても

読んで損の無い、しかも文庫なので手軽なものです。

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加藤常賢『禮の起原と其発達』

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加藤常賢『禮の起原と其発達』、中文館書店、1943年

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静養中に読んでいた一冊。

中文では知らぬ者無しの加藤常賢博士の高著であります。

積読状態だったのですが、

せっかくの静養でしたので読んでみました。

前半は礼の由来として民俗との関連を取り上げ、

後半にて『春秋左氏伝』や『論語』など初期儒教文献に現れる

礼の学問的展開を論じておられます。

礼学を見る場合、上で加藤博士の章立てされたように

民俗・経学の両側面から考察することの重要性は

今更言うまでもないことでして、

それを65年前刊行の同著において実行されているというのは

このアプローチの重要性を示す一端だと考えられます。

ただ、実際に行うとなれば、

経学的素養に加え、歴史学の素養も当然要求されるわけで、

現在のように学問の多様化・細分化が起こり

各分野での情報量が当時に比して飛躍的に増えた状況においては

なかなか一筋縄ではいかない要求とも言えます。

むしろ、よく唱えられている「学際的研究」というのは

文史哲への回帰とも言える現象なのではないかとも思えます。

少し話が逸れました。

今回はこの辺で。

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